請求書や注文書の入力を、
仕組みに任せる前に
「紙で届いた書類を、また手で打ち直している」。この時間を取り戻したいとお考えなら、その前に確かめておきたい道が四つあります。順に見ていけば、お金をかけずに済む場合も少なくありません。
当社は業務改善の相談を受ける会社で、書類の読み取りに関するご相談もいただきます。ただ、お話を伺うと「それはもう、お手元の仕組みでできますよ」とお答えすることが、実際にあります。
ここでは、そうしたときにお伝えしている順番をそのまま書きます。ここに挙げるサービスは、いずれも当社と資本関係・代理店関係がなく、ご紹介による手数料も一切受け取っていません。
1いま使っている会計ソフトを確かめる
いちばん多いのがこれです。freee・マネーフォワード・弥生の3社は、いずれも領収書や請求書をスマートフォンで撮ればAIが文字を読み取り、仕訳の候補まで作る機能を標準で備えています。すでにご契約されていれば、追加の費用はかかりません。
- freee
- スマホアプリで撮影した画像をOCRで自動解析。電子帳簿保存法に対応した保管機能も標準で備えています
- マネーフォワード
- 仕訳の候補を自動で作り、確認して登録するだけ。連携できる外部サービスが多いのが特長です
- 弥生
- OCRに加えてAIによる取引入力を提供。税理士事務所での導入率が高く、相談しやすい面があります
経費の領収書や仕入の請求書が中心であれば、ここで足りることが少なくありません。まずは顧問税理士か、ソフトのヘルプで「レシート撮影」「ファイルボックス」といった機能を探してみてください。
2無料で試せるものから確かめる
会計ソフトの外にある書類——受注の注文書、現場の日報、取引先ごとに様式の違う伝票——であれば、専用のサービスを検討することになります。ただし、いきなり契約する必要はありません。
- LINE WORKS PaperOn 無料のお試しで1か月・最大200回の読み取りができます。手書きや斜めの文字にも対応し、スマートフォンからの取り込みも可能です
- スマートOCR 5日間・100枚まで無料でお試しいただけます(その後は初期10万円〜+月3万円〜・最低3か月)
- ほかにも多くのサービスが無料期間を設けています
3用途がはっきりしているなら、それに合った専用品がある
「何にでも使える読み取り」より、目的が決まっているなら専用品のほうが早く片づきます。
- FAXの注文書が多い
- 受注業務に特化した製品があり、読み取った後にデータベースへ直接書き出せるものもあります
- 取引先とEDIでつなぎたい
- 読み取りから電子データ交換までを一体で担う製品があります
- 販売管理システムを使用中
- そのシステムの提供元が、連携済みの読み取り機能を出している場合があります。まず提供元にお尋ねください
- 電子帳簿保存法の対応が要る
- 保存・検索・承認までを含むサービスをお選びください。読み取りだけの道具では要件を満たせません
4補助金が使える場合がある
AI-OCRは2025年度までのIT導入補助金の対象に含まれており、2026年度は後継の「デジタル化・AI導入補助金」でも対象に含まれています。導入を決めているなら、申請の時期と要件を先に確認しておく価値があります。
ただし採択には審査があり、必ず受給できるとは限りません。補助金ありきで導入を決めると、不採択のときに計画ごと止まります。まず「補助金がなくても導入するか」で判断し、そのうえで申請されることをお勧めします。要件は年度ごとに変わりますので、最新の公募要領をご確認ください。
なお、この補助金は登録されたIT導入支援事業者を通じた導入が要件です。当社はその登録事業者ではありませんので、当社にご依頼いただく分は補助の対象になりません。先にお伝えしておきます。
それでも、手が止まる場所が残る
ここまでの四つを試しても、なお手が止まる場所があります。読み取ったデータが、自社の形で出てこないときです。
読み取り自体は、いまのAIであればかなりの精度で動きます。問題はその先で起こります。列の並びが会計ソフトの取込様式と違う。取引先ごとに商品の呼び名が違い、結局そこを人が直している。必要な項目が入っておらず、余計な項目が入っている。
こうなると、入力作業がなくなったのではなく、入力の前工程が変わっただけになります。手が止まる場所が移動しただけで、時間は戻ってきません。
当社がお引き受けしているのは、この部分です。どの帳票を対象にするかを決め、読み取る項目を御社の業務に合わせ、出てくるデータの並びを取り込み先に合わせる。実際の書類で試して、合うまで調整する。
道具そのものを売る仕事ではありません。上の四つのどれかで足りるのであれば、そちらをお使いいただくのが一番です。そう申し上げたうえで、なお残る部分があればお声がけください。
御社の書類で、試してみませんか
実際の書類を何枚か拝見すれば、「これは今のソフトで足ります」「これは調整が要ります」の見立てをその場でお伝えできます。売り込みのためではなく、判断していただくためのお時間です。
相談してみるオンラインでの初回のご相談は無料です(30分)。
その場で結論を求めることはいたしません。持ち帰って、ゆっくりお決めください。
※ 本コラムに記載した他社サービスの名称・料金・無料枠は、2026年8月時点で公開されている情報にもとづきます。内容は変更される場合がありますので、ご検討の際は各社の公式情報をご確認ください。
※ 当社は本コラムで挙げたいずれの提供元とも、資本関係・代理店関係にはありません。紹介による手数料も受け取っていません。